夢ソムリエ

引き寄せの法則を使った夢の叶え方、日々思ったことなどを書いています。

宇多田ヒカルさんがNHKのSONGSで語った母への愛

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出典:NHK

 

宇多田ヒカルさんが、NHKのSONGSに出演し、コピーライターの糸井重里さんと対談された。

 

放送は9/22だった。

 

糸井さんの質問に答える彼女の言葉を、全力で理解したくなるくらい引きこまれてしまい、大変興味深い番組となった。

 

すごくいいお話しを聞けたし、このブログに書いている内容とも関係する部分もあるので書き示すことにした。

 

 

対談内容

 

対談のお相手が糸井重里さんでよかったな、と番組を見ながら思った。

 

糸井さんが宇多田ヒカルさん(以下ウタダ)から話を聞く姿勢が仕事を通り越していたことを感じた。

 

それもそのはず、ウタダが2010年に「人間活動」に専念して活動を休止するとつぶやいたツイートに、

 

「うちに来ないか?」

 

とリツイートしたことがあった。

 

ウタダは、

 

「本気でそういうことしかったんです。
海外のカフェやレストランで働いてみたりとかしたかったんです。
私、何もできない人だったんだとわかったので。
生きる術ですよね。
移動手段、食べ物の調達とか。
社会的に人として生きていく能力が、何も身に付かなかったんですね。」

 

と答えていた。

 

対談内容は突っ込んだものもあり、母親の藤佳子さんが亡くなったことについても触れられた。

 

そのような内容だったからか、とっても意味深いことを彼女は語っていた。

  

何度でも見直して、ウタダの言葉を耳を大きくして、しっかりと聞きたいと思った対談だった。

 

人生で記憶がない期間

 

私が特に集中して聞いた内容は、子供が産まれてわかったことがあった。

 

という話から、生まれてから数年間って記憶がなくて不安。

 

だけど、出産して子育てをしているとそのことがわかった。

 

こうやって世話をしてもらったのか。

 

というようなことを仰っていた。

 

ここに気づけるとは、すごい感性だと思った。

 

三つ子の魂百まで

 

私たちは生まれてから数年間って記憶がない。

 

『三つ子の魂百まで』という日本に古くから伝わることわざがある。

 

この無意識に経験したこと、どのように扱われたのかにより人間形成される。

 

3歳までに脳の80%が形成するといわれており、この期間に親に愛情深く育てられることが望ましい。

 

愛情を得られなかった子供は、相手の感情を読み取る能力や自分の意志を相手へ伝えるコニュニケーション能力があまり育たないという研究結果もある。

 

このブログで取り上げているエナジーバンパイアもこの時期に形成される。

 

yume-somurie.hatenablog.com

  

また、コンプレックスやトラウマを強く抱えている人も、この記憶がない年齢の期間の扱われ方が影響する。

 

だから、私は0才から子供を預けて働く母親たちにあまり賛成できない。

 

働かなければならない理由があるのならともかく、安倍政権の『一億総活躍社会』に影響されるのか、仕事をしていないといけない、と思っている女性たちが、乳飲み子を預けてまで働くのを見ているとそのお子さんのことが気の毒になる。

 

実際、私が勤める職場にもそのような女性たちがいる。

 

出産を機に前職を辞めたのか、出産すると同時に転職活動をして応募してくるのだ。

 

母からの愛を知る

 

ウタダは、子育てをしながら、自分もこんなだったんだ、このようにお世話をしてもらったのだと気がついたことで、記憶がなかった幼少時代の不安が溶けたようだった。

 

そして母へ鎮魂歌を捧げた。

 

『花束を君に』は母親への鎮魂歌

 

ウタダは、不安が溶けたことで母親へ感謝したい気持ちが溢れ出たようだった。

 

その母への感謝と愛は『花束を君に』へ込められた。

 

花束という言葉を使ったのは、歌詞にあるとおりに、言葉では言い尽くせないから。

 

だから花束にしたのだと対談で語っていた。

 

たくさん言葉を並べても足りないから花束にしたけれど、その花束も両手で抱えきれないほどなのだ。

 

母親への愛と感謝で溢れている彼女の気持ちが伝わってくる曲だ。

 

『花束を君に』
作詞・作曲:宇多田ヒカル
NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主題歌

 

普段からメイクしない君が薄化粧した朝
始まりと終わりの狭間で
忘れぬ約束した

 

花束を君に贈ろう
愛おしい人 愛おしい人
どんな言葉並べても
真実にはならないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に

 

毎日の人知れぬ苦労や淋しみも無く
ただ楽しいことばかりだったら
愛なんて知らずに済んだのにな

 

花束を君に贈ろう
言いたいこと 言いたいこと
きっと山ほどあるけど
神様しか知らないまま
今日は贈ろう 涙色の花束を君に

 

両手でも抱えきれない
眩い風景の数々をありがとう

 

世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりはないさ
抱きしめてよ、たった一言 さらならの前に

 

花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
君を讃えるには足りないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に

出典:私物のCD歌詞カード

 

 

歌い方が変わった

 

20代のころ

 

「苦しそうな歌い方をしますね」

 

と言われたことがあったが、活動休止後は苦しそうな歌い方をしなくなったと語っていた。

 

個人的には、苦しくて切ない歌い方に加えて、AutomaticのPVでは、ダンスのシーンで窮屈な何かに入れられて苦しいけど脱出できないような印象があった。

 

歌い方が変わったきっかけは、出産後、育児をしながら、記憶がなかった幼少時代の自分と母親との姿を、自分の子供を介して知ることが出来たことで、母への愛と感謝がわき出て来たからなのではないかと思った。

 

ウタダは母親に対して複雑な感情を抱いていたようだった。

 

母親の藤佳子さんが亡くなったとき、ブログに

 

「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」

 

 

と書いていたそうだ。

 

母親ではなくて、彼女と書いたウタダ。

 

その後、出産し子育てをすることで、母から愛されていたことを知り、母への愛と感謝でいっぱいになったのではないだろうか。

 

以下の音楽関係者のコメントからも、母親に対して複雑な感情を持っていたが、出産を経て鎮魂歌をささげることになったことがうかがえる。

 

「“母になった”という実感が彼女に自信を与えたようです。
ヒカルは偉大な歌手でありながらも、次第に感情のコントロールを失っていった母・藤圭子に複雑な感情も抱いていました。
それが出産を経て、自分を生んでくれ、歌手への道を拓いてくれた母へ素直に、深い感謝を捧げることもできるようになりました。

《愛おしい人愛おしい人どんな言葉並べても君を讃えるには足りないから》


など、『花束を君に』には、随所に母への思慕が込められています。
歌詞の解釈もさまざま取り沙汰されていますが、実は母への鎮魂歌だったのです」

 出典:女性自身

 

 

 

まとめ

 

2010年からの『人間活動』にピリオドを打ち、歌手として活動を再開した宇多田ヒカルさんは、アーティストとしても、一人の人としても、女性としても、大きな存在となって帰って来た。

 

音楽家を超えた存在だな、という印象も受けた。

 

複雑な家庭環境で生まれ育ち、母親に対して複雑な感情を持っていたが、出産と子育てを経たことで、記憶がなかった幼少時代の母との関係を、子を介して気づくことができた。

 

母親に愛されていたことを認識されたのだと思う。

 

感謝でいっぱいになり、その気持ちが作品『花束を君に』に込められた。

 

母親の藤佳子さんが、まだウタダの才能を日本のレコード関係者が認めていない頃、手にデモテープを持ちながら、

 

「この子、天才でしょ!天才でしょ!」

 

と知人に熱く語っていた、という話を思い出した。

 

お嬢さんのヒカルさんのことをとっても愛していた母、藤佳子さんの娘への愛が伝わるエピソードだ。

 

『ひかる』と名付けたのは、藤佳子さんの家系は目が弱かったことから、いつまでも光があたりますように、と母の藤佳子さんが命名したとのこと。

 

藤佳子さんの母親は盲目であった。

 

母に愛されていたことに気がついて、歌い方まで変わった。

 

母の愛に気がついて、愛と感謝でいっぱいになると、人は変わるのだと思い知らされた対談でもあった。